No.7 元Googleで働いていた男が感じる"Hygge"とは?

ドイツに来て1週間が経とうとしている。

幸いなことに心強い友人のおかげで、ベルリンライフを楽しんで毎日飲んでたら、時間過ぎちゃった感じw

実はベルリンでは、デンマークで出来なかった子供たちの現地幼稚園体験にチャレンジ中。

絶賛交渉中で、週明けが勝負!

うん、毎日が新鮮だ。

さて、今回は"働く"と"家族"シリーズ。

デンマークで出逢ったOle Stormさんのストーリー。

元Google、元Microsoftの経歴を持つ彼の”Hygge(ヒュッゲ)”とは?

デンマークの中心地コペンハーゲンと、フラッグシップとなるLegolandの中間に位置するOdense。

※写真は今回のテーマに全く関係ないけどLegolandにあるStar Warsの某有名シーンの1枚。嫁とは全く共感できずも、僕は興奮!

この街で暮らし、週に2、3日は自宅で仕事をこなし、生計を立てているのがOleだ。

彼の”今の仕事”は、スポーツアスリートのドーピング検査などを支援している協会のプロジェクトマネージャー。

「週に1回はヨーロッパの支局に顔を出すけど、後はほとんど自宅で仕事してるんだ。世界で700人ほどのトレーナー(もしくはドクター)がアスリートを支援してて、僕はそのトレーナー達を指導したり、レポートのFBをするのが日常。もちろん全ての人と直接やり取りはないけど。PCとiPhoneがあれば、どこでも仕事できるからね。」

そう語る彼の働き方は、実は彼自身が欲したものであり、生み出したシステムだと言うからおもしろい。

彼が属する協会の仕事は、言ってしまえばドーピング検査をする仕事だ。

アスリートは3か月に1回、いつどこでチェックを受けたか?トレーニングや食事なども、特定の項目を申請しなければいけない。しかも、紙で。

「6年前、あるバイクレースの選手に会ったんだ。たまたま不幸にも彼の叔父さんが亡くなった時、ドーピングチェックの申請ができなくて、大会に出れなかったと。いったい誰が、叔父さんが亡くなった時に、自分のログを正確に覚えて申請できるというのか?バカげてるだろ。」

そう思い、GPSやlog機能、個人認証システムを使ったアプリを開発し、アスリートとトレーナー、そしてマネージャー達のオペレーションを変えることを提案、採用されたと言う。

これが彼の原体験。

でも、彼の”昔の仕事”は、なんで彼にこんな事ができたのか?という理由と、彼自身がこの働き方を欲していた理由を説明してくれる。

なにせOleはYahoo!、Google、Microsoftで働いていた過去がある。

場所もデンマークのみならず、ドイツ、ニューヨークなど様々な国でだ。

彼の生産性の概念や、ICTツールを駆使した働き方は当たり前のものとして、この時に染み付いていた。

そりゃ、アスリートのドーピングチェックの協会におけるオペレーションを'dinosaur'って言うよね。

「当時は日本人みたいにガムシャラに働いてたよ。週に60時間、70時間とかもあった。娘が2人いてね。彼女達の未来のために高収入も必要だったしね。。」

※写真はバスを待つ、うちの家族たち

平日は子供たちの寝顔しか見れない生活だったという。

奥さんとはどんな会話だったのか?

「何度も話し合ったよ。何が一番大切なのか?って。大切なものは家族。そこは夫婦で同じもの見てたんだ。僕はそのために一生懸命働いてたしね。でも彼女は2回も仕事を変えていたんだ。働き方を変えて、家族の時間をつくるために。」

働き方自体は変えてこなかった自分のLine of workを本当に変えなきゃって気づいたのは、奥さんが心底怒った顔を見た時だった。Oleは高収入、素晴らしいキャリアを捨て、全く違う畑の今の仕事を選んだ。

それは、奥さんにとって離婚を避けるには遅すぎる気づきだったが。。

ところで。

デンマークには”Hygge(ヒュッゲ)”という言葉がある。

東洋経済オンラインが今年の1月に「デンマーク語で「居心地がいい時間や空間」という意味の言葉ヒュッゲ。それが英国や米国のライフスタイル業界で新たなブームを起こしつつある。パチパチと音を立てる暖炉を囲みながら、手編みの靴下やセーターを着込んだ友達や家族が、コーヒーやケーキを食べてほっこりする時間――。ヒュッゲはデンマーク人がアイデンティティ並みに重視するコンセプトだ。」と話題に挙げたワードだ。

欧米では、パチパチ暖炉で家族団欒。

デンマークでは、ロウソク灯してウットリ音楽。

そんな典型的なイメージをもつHyggeとは何か?

Oleに聞いてみた。

「Hyggeってのは、カタチじゃない。だから、Let's Hygge!ってのもない。僕にとっては、今この瞬間がHyggeだよ。コーヒー片手に、互いが知らない互いの考えを交換しあう。楽しいじゃないか。」

海賊が敵を討ち取って、酒瓶片手にキャンプファイアで、武勇伝を語る時間。

タイの寺院で、時が止まるのを感じながら、風の音に耳を傾ける時間。

そういうフローとかゾーン状態の時をHyggeと呼び、それを求める事を大切にして育つのがデンマークだと。

確かに、Zen(禅)の話と同じだねと僕は伝えた。

「よし、Let's zen!とか言って、寺で座禅組んで瞑想するのがZenじゃないもんね。フロー状態で自分の心に耳を傾ける、それを求める行為がZenだから。」(※あくまでも個人的解釈ですが)

彼は笑いながら、まさにその通り!と笑ってみせた。

短時間だが様々な話ができる彼だからこそ、最後に聞いてみたい事があった。

「キャリアもガラリと変えたけど結果的に離婚した。それも含めて、今の働き方や生活をどう思ってるの?そこにHyggeはあるの?」

Oleの答えはこうだ。

「今と昔を比較してどっちが良いとかはないよ。昔があって今があるだけ。だから今に満足してる。タイに彼女が居てね、今度また行くんだけど、それは今の働き方じゃなきゃできない事だからね。今の自分にとってはそれが何よりの楽しみだよ。」

Hyggeはカタチじゃない。

定義も形式的なものもない。

誰にでも存在し、他の誰かにとって特別である必要はない。

どういう時に自分がそれを感じるのか?を大切にする事が大事。

彼女と一緒にタイの街中を歩きながら、ゆったりと周囲の喧騒に耳を傾ける。

それが彼にとっての最高のHyggeの時間だ。

Kuni


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