No.5 幸福の国?実感ないけどね。

"働く"と"家族"シリーズ。

始めます。やっとw

いや、色々とネタはありますよ。ネタは。

グッと、ノッて書くのが好きなもので。。

エクスキューズはその辺で。

さて、いろんな人に突撃インタビューしながら、"働く"と、その背景にある"家族"のリアルを、追っていきます。

リクルートに居るときは、「はいぱふぉーまーいんたびゅー」とか多かったんですけどね。

今回は、いろんな普通の人のリアルを、出会った人や伝手を辿って聞いていきます。

初回はDenmarkから。

みなさんはデンマークと聞いてどんなイメージを持つだろうか?

世界幸福度ランキング2年連続第1位。

消費税25%がもたらす高度福祉社会。

学費、医療費などを国が負担し、学び直しも自由な国。

朝出社したら、16時には帰宅の毎日。

家族との夕食、大切でまったりとした時間を悠々自適に過ごす人たち。

僕のイメージはそんな感じ。

でも、同時に”違和感”を感じた事が、旅の始まりをこの国にさせてもらった1つの理由だ。

「ほんとにそうか?」と。

この問いに対して、初めてのインタビューで、ひとつのリアリティを鮮やかに見せてくれたのが、Aninja Larsenさん。

デンマークの荻窪(嫁談)であるVanloseに住むアニーシャ。

16歳と12歳の娘、そして愛犬ルロと共に暮らす彼女のストーリーを聞いてみた。

彼女の仕事は2つある。

軸となるのは"Social worker"と言われるもので、ドラッグやアルコールに苛む老若男女の話を聞き、更生への手助けをするという仕事だ。

大学でを経済学を専攻した彼女は、何故かそれは活かさず、いわゆる国家資格は必要としないが、どう考えてもタフなこの仕事を選んだ。

どこかの国でよく聞く話しだ。

「昔から自分が誰かに貢献しているという実感が欲しかった。」と言う。

人の人生を聴き、心を通わせるために会話を続け、いつその人が更生するかはコントロール不可能。

でも、その人が変わる事が出来た時はこの上なく報われる。

こういう瞬間は得難いものであると言う。

「だって、正直頑張らなくたって国の補助があるから生きていけるでしょ?わたしはそれじゃ満足できない。何百時間のコミュニケーションに対して、ほんの一瞬の一言でもいいから、感謝を受け取ることが私の幸せ。」

そんなアニーシャの生活は、僕の典型的なデンマークのイメージからの乖離がすごい。

僕たちは彼女の家に居候しているわけだが、まぁ、夜中まで帰ってこない。

毎日21時前後に帰り、キャンドルを灯し、ヒーリングミュージックをかけて白ワインでまったり。

これが彼女の毎日。

そういえば、冷蔵庫の中はシャンパンで埋まってる。うん、なんか親近感w

いつも疲れた顔してるのに、2つ目の仕事があるって何やってんの?

「セラピストやってるの。まあ、やってることは似てる。でも、こっちは民間企業だし、子供たちがメインね。」

国と民間の両方に対して大変な仕事をするのは、やりがいだけが理由では無い。

荻窪で一軒家に住むには、お金が必要なのだ。だいたい2人分のインカムが。なるほどね、と。

もう一つ、面白い理由がある。

それは、セラピストの仕事を掛け持ちする事が、患者のスケジュール事情に左右される構造を柔軟にする効果があるんだと言う。

彼女はバツイチだ。

だいたい9日は彼女の家、5日はお父さんの家で子供が暮らす。

「私にとって子供たちとの時間は何よりも大事なの。だから、私の家にいる期間は、仕事は全然やらない。午前中だけ仕事して14時には家に帰る事もできる。セラピストの仕事は、私が子供たちと居たいと言えば認めてくれるから。その代わり、逆の期間は死ぬほど仕事するけどね 笑」

しかも、週に3回のダンス、週に2回のランニングもやるとか。

で、10歳年下のBoyとクラブへ行く。私はManが欲しいから彼氏じゃないよ、と言いながら。

さて、そんな彼女を”子供たち”はどう思っているのか聞いてみた。

少し複雑な表情をしながら、彼女が何度か口にしたのは'scared'と'cheer'だ。

ドラッグに関わる、人の人生の深くに関わる仕事だから、アニーシャは子供たちにも話せる事と話せない事がある。

極端に言えば、患者が嫌悪感を持つことで母親に身の危険が迫る可能性もあるわけだ。そこはscaredだと言う。

一方で、この仕事を辞めて欲しいと言われたことは無い。

「娘たちも性格が全然違うけど、私をなんとか理解して、cheerしてくれてる。下の子は、私と同じ仕事をすることが夢で、それを学ぶ学校に行くんだって。」

残念ながら、ぼくが滞在してた期間は子供たちが居ない時だったので、子供たちに直接聞くことは出来なかったが、本当なんだと思う。

奇しくも母の日。朝、子供から電話を受けたアニーシャは「今日はお父さんのところにいるから、ありがとうの電話だけ」と連絡をうけた。

その直後、サプライズで娘のエミリアがハグしに来た時、彼女は嬉しくて泣いてたから。

最後に、敢えてデンマークにおける問題点を聞いてみた。

実は離婚率が50%を超えるデンマーク。

社会福祉が充実した社会がもたらす一つの問題を"independent"だと指摘する。

「幸福の国と言われるけど、あんまり実感はないわ。素晴らしいシステムだとは思うけど、何のために生きるのか?を小さい頃から問われる国で育つと、なおさら悩むの。私は仕事もある、家もある、旦那はいらない。それでも十分に生きていける。そうなると、人ってヒトに優しくなれないのよね。私はそうはなりたくない。だから、仕事も、ダンスも、家族も大事にできるよう頑張るんだと思う。」

言うまでもないが、彼女は"幸せそう"だ。

自分が大事なこと、大切な時間を過ごす事が第一。

それが"Hygge"であり、lifeもworkも自分が決める。

※「Hygge」がなにか?は、もう一人のインタビュー記事にてご紹介!

アニーシャはマイノリティーかもしれない。

それでも、デンマークの典型的なイメージを鮮やかに崩してくれる人との出会いは、

これからの旅に不確実性という意味で大きな期待を持たせてくれた。

次の出逢いが楽しみだ。

Kuni


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